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2024.07.03

スポーツファーマシスト

スポーツファーマシスト

スポーツファーマシストの定義
医療に係る最新のアンチ・ドーピング規則に関する知識を有する薬剤師です。
薬剤師の資格を有し、所定の課程(アンチ・ドーピング規則を中心に広くスポーツと関係する内容)終了後に認定される資格制度です。
正式には「公認スポーツファーマシスト」といいます。

ドーピングとは?
「スポーツにおいて禁止されている物質や方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとする行為」のことです。禁止薬物を意図的に使用することだけをドーピングと呼びがちですが、それだけではありません。意図的であるかどうかに関わらず、ルールに反する様々な競技能力を高める「方法」や、それらの行為を「隠すこと」も含めて、ドーピングと呼びます。
ドーピングは、自分自身の努力や、チームメイトとの信頼、競い合う相手へのリスペクト、スポーツを応援する人々の期待などを裏切る、不誠実で利己的な行為であり、ドーピングがある限り、そもそもスポーツはスポーツとして成り立つことができません。

アンチ・ドーピングとは?
ドーピング行為に反対(antiアンチ)し、スポーツがスポーツとして成り立つための、教育・啓発や検査といった様々な活動のことです。スポーツは、そもそも、その参加者がフェア(公正)でなければ成り立ちません。JADAは、アンチ・ドーピング活動によって、すべての人がフェアであることを支え、アスリートの健康を保護するために、ドーピングの撲滅を目指しています。
JADAのアンチ・ドーピング活動には、2つの種類があります。1つ目は、残念ながら現在スポーツにおいて報告されるドーピングをゼロにすること。そして2つ目は、スポーツにおいてドーピングが起こらないよう予防的な活動をすることです。アンチ・ドーピングは、スポーツにおけるフェア、スポーツの価値を守る活動です。
スポーツにはどのような「価値」があるでしょうか?
健康な体づくりができること。挑戦する、勇気を持つ、相手を尊敬するといった気持ちの素晴らしさや、年齢や人種を越えた他者理解の心を育むことができること。チームワークやルールを守る姿勢を通して、フェアであることの大切さを知ること。さまざまな答えがあるかもしれませんが、その全てが「スポーツの価値」に含まれます。私たちは、スポーツをしたり、見たり、支えたりする中で、そのようなスポーツの価値にふれることができます。

公認スポーツファーマシストの認定方法
基礎講習と実務講習の2種類の講習を受講後、知識到達確認試験を受け、合格すると認定されます。

スポーツファーマシストの役割
1.医薬品の適正使用とアンチ・ドーピングに関する情報提供
スポーツ競技者や指導者、スポーツを楽しむすべての人へ薬の正しい使い方など適切な指導を行うことです。
この夏、開催されるパリオリンピックのような国際大会や国民体育大会など国内大会でもドーピング検査が実施されます。
ドーピング行為は、重大なルール違反となり、選手資格やメダルの剥奪など選手生命に大きく影響を及ぼす可能性があります。特に近年では、意図的なドーピングではなく、禁止物質が含まれていると知らずに使用してしまう「うっかりドーピング」に注意しなければいけません。
病院で処方される薬以外でも、調剤薬局でもらった処方薬、ドラッグストアやインターネットなどでも購入できるOTC医薬品、栄養補助食品などの中にも、ドーピングの規制対象となる成分が含まれている場合があります。

2.学校教育の現場におけるアンチ・ドーピング情報を介した医薬品の使用に関する情報提供
2013年度より、高等学校指導要領にアンチ・ドーピングが明記されました。
「スポーツの価値」を基盤として、アスリートだけでなく、全ての高校生を対象として、アンチ・ドーピングを通してフェアネスの考え方を学び、社会や生き方に対する価値観を育むことを目的としています。

3.国民スポーツ大会に向けての都道府県選手団への情報提供
都道府県のスポーツ協会などが中心となり、問診票のチェックをします。
処方されている医薬品や使用しているサプリメントなどが禁止物質に該当しないかを確認し、服用・使用の可否を判断する。うっかりドーピングを回避することは、アスリートを護る為にも重要です。
2023年度から国民スポーツ大会(国民体育大会)に出場する選手に対して、アンチ・ドーピング教育の受講が義務化されています。
各都道府県の薬剤師会にもアンチ・ドーピングホットライン、ドーピングのお問い合わせの窓口もあります。

出典:スポーツファーマシスト・JADAのHP