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2022.10.13

コラム「秋の食中毒」

コラム「秋の食中毒」

こんにちは。薬剤師の金丸です。
今回は「秋の食中毒」についてお話ししていきます。

朝晩の涼しさや、日の短さに秋を感じるようになってきましたね。
過ごしやすい気候に美味しい食べ物、四季の中で秋が一番好きだという人も多いのではないでしょうか。
そんな秋にご紹介したい今回のテーマは『食中毒』です。
意外にも秋は食中毒の多い季節なんです。夏のイメージの強い食中毒ですが、暑さも和らいで涼しくなってきたこの時期、油断していると食欲の秋どころではなくなってしまうかも、、、。

食中毒とは
食事に起因する腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状の総称です。

原因
主な原因は細菌やウイルスですが、他に自然毒、寄生虫、化学物質などによって引き起こされる場合もあります。秋はキノコによる自然毒食中毒が増えるシーズンです。

治療
下痢や嘔吐で脱水を起こす可能性があるため、水分補給が重要です。口からの水分補給が難しい場合は点滴が必要となります。
下痢や嘔吐は体内の菌や毒素などを体外に排出するための生体の防御反応なので、基本的には止めません。
吐き気止めや下痢止めは菌や毒素の排出を遅らせてしまい、症状の悪化や遅延のリスクもあるため、自己判断での服用はせず、症状がひどい場合は医療機関を受診するようにしましょう。

対策
食中毒予防の3原則:食中毒の原因を『つけない・増やさない・やっつける』

『つけない』→ 洗う、分ける
調理前に手や食材をよく洗い、菌やウイルスなどを落とします。また、食材に触れるまな板や箸などの調理器具も加熱調理用と生食用で分けておき、食材間で菌やウイルスが移らないように注意しましょう。

『増やさない』→ 低温で保存する。
 生鮮食品を購入した時はなるべく時間をかけずに帰宅し、すぐに冷蔵庫に入れるようにしましょう。調理後に残った食材や余った料理も長時間室温に放置せず、清潔な容器に移して早めに冷蔵庫に入れるようにすると安心です。
秋は運動会やハイキングなどでお弁当を持っていく機会も増える時期ですが、保冷剤や保冷バッグなどを活用してお弁当が傷まないように注意しましょう。梅干しやショウガ、お酢などの食材は抗菌効果があるので取り入れてみるのもおススメです。

『やっつける』→ しっかり加熱する
 まんべんなく、十分に加熱する。レンジ調理などは加熱個所にムラが出る事もあるので注意しましょう。加熱用と記載のある食品は間違っても生で食べないように。

以上が3原則と基本の注意例になります。
また、味覚、嗅覚、視覚も大切です。
味、におい、色などいつもと違うと感じた場合、食材が傷んでいる可能性を考えましょう。

今回のコラムはこれで以上です。少しでも皆様の健康な食生活の参考になれば幸いです。
食中毒に気を付けつつ、食欲の秋を満喫しましょう。
(※食中毒は年間通して発生しております。日ごろからの予防を心掛けください。)