コラム「熱中症」意外な熱中症 編
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2023.05.11
こんにちは、健康診断があるので食生活に気をつけていたら、3kgも太ってしまった薬剤師の安達です。
前回のコラムでは、日本の梅毒患者の発生状況についてお話をしました。今回は、梅毒の症状と治療についてお話ししたいと思います。
梅毒に感染して3週間(第1期梅毒)ほど経過すると、感染が生じた粘膜や皮膚に潰瘍やイボのような皮疹を生じます。股の付け根のリンパ節が腫れることもあります。これらの症状で痛みを感じることがほとんど無いため、感染に気づかないこともあります。治療をしなくても症状が軽快するため、治ったと勘違いしないように注意が必要です。
梅毒に感染し未治療で3ヶ月(第2期梅毒)ほど経過すると、バラ疹とよばれる淡い赤色の発疹が、体や手のひら、足の裏に出ることがあります。この第2期梅毒の症状も第1期梅毒と同じく、未治療でも症状が軽快する事がありますが治ったわけではありません。
感染から未治療で数年経つ(第3期梅毒)と心血管や神経に異常が現れてきます。その他に、ゴム腫とよばれる軟らかい腫瘍が皮膚や肝臓、骨にできることがあります。梅毒に有効な抗菌薬があるので、現在では第3期梅毒まで病態が進むことは少なくなって来ています。
梅毒の治療には、ペニシリン系の抗菌薬が使用されます。薬を服用する期間は長く、基本的には4週間〜12週間続ける必要があります。ペニシリンアレルギーがある場合は、ペニシリン系以外の抗菌薬を使用します。2021年9月には、梅毒の世界的な標準治療薬であるベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤の製造販売が国内でも承認されました。この薬は、早期梅毒(一般的に感染から1年未満の活動性梅毒)であれば、一回の筋肉内注射で効果が期待できます。後期梅毒(感染から1年以上経過した活動性梅毒)になると、週に一回、合計3回の筋肉内注射が必要になります。梅毒は治療の初めに発熱や筋肉などの症状が出る事があります。多くの場合は1〜2日以内で回復しますが、症状が続く場合やひどくなる時には再度受診して診てもらう必要があります。
梅毒は、早期発見早期治療で重症化する事なく治癒できる病気です。少しでも疑わしい症状があるときは、気づいた時に直ぐ受診しましょう。