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2024.01.21

災害時の命を支えた〜お薬手帳とマイナ保険証・かかりつけ薬剤師〜

災害時の命を支えた〜お薬手帳とマイナ保険証・かかりつけ薬剤師〜

能登半島地震で被害を受けた方にお見舞い申し上げます。皆様のお知り合いの方で被害にあわれた方もいらっしゃると思います。大分県内からも医療支援で私たちの仲間が能登に行って活動しております。どうぞ皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。

さて過去を振り返って阪神淡路大震災の頃ですが、お薬手帳もあまり普及せず、災害支援の仕組みがほとんど無かった頃は、とんでもない負担が災害現場にかかっていたと思います。

東日本大震災や熊本大分地震と続き今回の能登半島地震でもお薬手帳が活躍して現地の医療を支えています。またマイナ保険証に記録してある医薬品のデータも全国で活用されていて、震災で手帳を失った方も医療のデータを一時的に復元することが出来ています。マイナ保険証の紐づけがまだの方は是非早めに手配をお願いいたします。

今回避難所で活動をされている石川県志賀町のある薬局の方のエピソードです。
町で2軒しかない薬局の1軒で、もう1軒は建屋被害で業務再開が不能のため、地域の役割を一手に引き受けています。DMATやJMATという医療チームが入ってくる前にすでに避難所を薬剤師スタッフが巡回して医薬品のニーズを確認し処方元医療機関と相談の上対応されていました。かかりつけ薬剤師を指名してもらっていた患者さんも避難所にいらっしゃって、薬剤師スタッフと会えたことで安心してもらったそうです。輪島や珠洲の人たちはもっと大変な思いをしているので、「薬のことや自分のことで我儘を言えないよね」とのこと。

皆さんも今後100%安全に過ごすことができる保証は無いと思います。そのためにも紙のお薬手帳・マイナ保険証・かかりつけ薬剤師の3点セットを是非準備して今後の災害に備えてください。あなたの薬剤師にご相談ください。

薬剤師 武蔵野大学薬学部講師
 株式会社実務薬学総合研究所 代表取締役
 水 八寿裕 (みず やすひろ)