• #予防薬
  • #前兆
  • #片頭痛
  • #薬局
  • 薬剤師

2024.02.28

片頭痛

片頭痛

こんにちは、薬剤師の金丸です。


【片頭痛とは】
他に原因となる疾患がないにも関わらず、頭の片側または両側のこめかみ付近にズキンズキンと脈打つような痛みを繰り返す症状のことを言い(注:非拍動性の片頭痛もあります)、人によっては吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。
 
【特徴】
片頭痛は『前兆あり』と『前兆なし』の2つに大別されます。
代表的な前兆には以下のようなものが挙げられますが、前兆を伴う片頭痛を持っている人でも前兆がいつも現れるというわけではありません。
 ・閃輝暗点(せんきあんてん)…キラキラした光、ギザギザした光が視界にあらわれて見えづらくなる
 ・チクチク感や、感覚が鈍くなる
 ・言葉が出にくくなる      など
 
【治療】
片頭痛に対する治療薬としては、起きてしまった片頭痛に対して用いられる痛み止めと、頭痛発作の回数自体を減らすことを目的とした予防薬があります。
 
◼︎痛み止め…頭痛発作が起きた時に服用することで、痛みの速やかな減退・消失を目的として用いられます。イブプロフェンやロキソプロフェン、アセトアミフェンといった一般的な痛み止めの他に、片頭痛に対してのみ用いられるトリプタン系と呼ばれる頭痛薬などがあります。
 
◼︎予防薬…毎日続けて服用することで片頭痛が起こる頻度を減らすお薬です。発作が起こった際の痛みを軽減する効果もあります。1ヶ月に2−3回以上頭痛があり、日常生活に支障を感じている場合は予防薬を検討して良いかもしれません。
予防薬には内服薬の他に月1回の注射剤などもありますが、使用には条件を満たす必要があり、専門の医療機関でないと取り扱っていない場合も多いです。
 

【日常生活でのポイント】
頭痛の予防には、規則正しい生活を心がけることも大切です。
具体的には、過不足のない適度な睡眠、バランスの良い食事、ストレスや疲れを溜めない、アルコール摂取を控えるなどです。ビタミンB2やマグネシウムといった栄養素は偏頭痛の予防に良いとされているので、摂り過ぎに注意しつつ意識的に摂ると良いでしょう。
 
頭痛が起きてしまった場合は、光や音などの刺激を避け、暗く静かな場所で安静にするのが良いです。頭の痛む箇所を冷たいタオルなどで冷やすのも痛みの軽減に有効的です。
 
【危険な頭痛】
いつもの頭痛と異なる痛みや症状が現れた場合は緊急性の高い重大な病気が隠れている可能性もあります。
増悪、突発、最悪をポイントに、普段の頭痛と違うと感じた場合にはすみやかに近隣の医療機関を受診してください。
 
 ・増悪…いつもより痛みが強い、間隔が短い、頻度が多いなど
 ・突発…突然起こった痛み
 ・最悪…今までに経験したことのないような激しい痛み
  
【痛み止めが原因の頭痛??】
意外な頭痛として、痛み止めが原因で起こる薬物乱用頭痛というものがあります。
痛み止めを飲みすぎることで逆に頭痛が悪化・慢性化してしまった状態で、治療には痛み止めの使用頻度を減らす必要があります。
薬の種類によっても異なりますが、月に10−15日以上痛み止めを使用している方は薬物乱用頭痛を起こしてる可能性が高いと考えられます。片頭痛
などで頻繁に痛み止めを服用している人は要注意です。
  
【おわりに】
片頭痛の成人有病率は約8.4%とされ、およそ10人に1人は片頭痛を持っている計算です。身近な病気ゆえに、病院にかかるほどではないと考えておられる方も多いかと存じますが、病院できちんと診察・治療を受けることで症状が改善する場合もございますので、頭痛でお悩みの方は、一度、専門の医療機関の受診をご検討ください。その際は、頭痛の頻度や持続時間、前兆の有無、きっかけとなる要因、服用薬などの情報もご用意いただけると診察の参考になると思います。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。