コラム「秋の食中毒」
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2023.08.31
こんにちは、フィンエアーの中で飲むことができるブルーベリージュースが気に入り、マービー低カロリーブルーベリージャムで同じような味が再現できないか、毎日試行錯誤している薬剤師の安達です。
皆さんは、エムポックスとはどのような感染症かご存じでしょうか?
少し前まではサル痘と呼ばれていました。サル痘の方が聞き慣れているかもしれませんが、自然宿主は猿ではなく齧歯類と考えられている為、現在ではサル痘とは呼ばずに、エムポックスと呼ばれています。国内では感染症上の4類感染症に指定されています。
このエムポックスは2022年5月以降の流行で、世界で8万7千人以上の感染例が報告されています(2023年5月23日時点)。
日本国内では2022年7月25日に、国内1例目の患者が報告されてから、2023年7月21日までに193例の症例が確認されています。2022年7月に出されたWHOのエムポックス緊急事態宣言は、2023年5月11日に解除されましたが、国内でもまだ感染者の報告は続いているので油断はできません。
エムポックスはコンゴ盆地型と西アフリカ型の2系統があります。コンゴ盆地型による感染例の死亡率は10%程度であるのに対し、西アフリカ型の感染例の死亡率は1%程度と報告されています。今回世界で流行したのは、西アフリカ型でした。この流行がコンゴ盆地型だったら、死亡者数が今以上に増えていた可能性もあります。
エムポックスは、感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液との接触で感染します。感染者と接近した対面での飛沫への長時間の暴露、感染者が使用した寝具等との接触等によっても感染することがあります。
症状としては、水ぶくれを伴う発疹に加え、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、リンパの腫れなどの全身症状が現れます。
感染後1〜3週間後に症状が現れ、多くの場合は2〜4週間ほど症状が続いた後に自然に回復しますが、重症化することもあるので注意は必要です。
感染者の多くは男性ですが、女性に感染しないわけではないので女性も注意は必要です。
現在国内に治療薬はないので、感染しないように注意をすることが大切です。天然痘ワクチンに予防効果があると考えられており、使用条件の合う感染者には使用する場合もあります。
疑わしい症状が出た場合は、直接病院やクリニックを受診するのではなく、一度電話をして指示を仰いでから、その指示通りに対応すると良いでしょう。